1 2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31 32
33 34 35 36 37 38 39 40

藤川孝之アトリエ展へのご来場者の皆様に心から感謝します。
ありがとうございました。

この地に住み始めて20数年、初めて仕事場で展覧会をしました。
途中同じ街で2度引っ越しましたが、何れも出て間もなく取り壊しとなり、現アトリエにやってきました。
ここは代々絵の関係のアトリエとして使われていて、隅々までその気配が漂っていました。
住みながら少しづつ手を入れながら、銅版画、彫刻、絵画を制作してきました。
発表は専らギャラリー関係でしたが、ある時期からアトリエ展を意識するようになりました。
そんな時に立ち寄った、京都、yugueで見た絵のある風景と小さく流れていたギターの音。
すぐさま自分のアトリエにイメージを重ねることができました。
そして、周囲を見回すと、自らの場を発信源として頑張っている人たちに気づきだしました。
そこには距離的な問題はあまり関係なく、点と点を結ぶように共鳴する意識が旅するようでした。
自分にも出来るのではと勇気付けられました。
そんな独立精神を持った先達である、
OUTBOUNDの小林和人さんと井の頭公園でご飯を食べながら盛り上がり、
青木隼人さんに音楽をお願いし、House展での経験豊富な増満兼太郎さんにご協力をお願いし、
一気に形が見えてきました。
その後、青木さんがアトリエ録音のCDを制作するということになり、
それまで描いてきた絵を一旦リセットして新たな気持ちで展に臨むことができたと思います。

展をすると決めて約一カ月半前、
最初足の踏み場もない部屋に途方に暮れましたが、少し片付くとことが励みとなり、
沢山部屋にあったオーディオ関係のものは、
舘野さん、村松さんの助けをお借りして、なんとか行き場所にたどり着きました。
そして、すっきり床が見えるところにきました。
いつのまにか裏に生えていた木が屋根より高くなり、
広くなった床に木漏れ日を落とす様に感動しました。

展のひと月前。録音の度に沢山紙を用意して、ギターの音を聴きながら絵を描きました。
それまで、なにかしらの下絵的なものがあったのが、
いきなり描きだすことができるようになりました。
身構えずに絵の中の風景に入っていけた気がします。

展の半月前。小林さんが大まかな構成を決めて、いよいよ展が近づいた気持ちになりました。
広報はわら半紙チラシを用意して、ご近所のお店に置いて頂きました。
後、ブログを始め、できるだけ行程が分かるように努めました。

直前。小林さんと夜中まで展示の設営をし、
増満さんが窓辺に繊細なスタンドを作ってくださり、
素敵に自らデザインされたAOKI,hayatoのCD『atelier 』が届き、いよいよ展が始まりました。

会期の二日目に青木隼人ギター演奏会を催し、素晴らしい演奏を聴くことができました。
静のイメージだけでなく熱い情熱も持った人なのだと感じました。

最初は少なかった来場者も段々と増えて、ご近所さんも入って来てくださるようになりました。
この界隈はごくごく普通の街なのですが、最近ご近所にできた、匙屋黄色い鳥器店
GARAGELET'EM INといったお店が人をお誘いしたのでしょう。
点在するお店をぶらぶらと旅する、のんびり豊かな表情をたくさん見ることができて、
とても嬉しく、有り難く感じました。
『遠くて近い、近くて近い』が実現した気がします。

展示はおよそ2、3年前までの紙に描いたドローイングを中心に、版画、立体を並べました。
壁面の作品は絞り込み、それ以外はあちこちに重ねて置き、直接手で触れるようにしました。
手触り、音、匂い、絵が目の前で変化する様が重要だと感じたからです。

玄関にはそれまで作った活版印刷のカード類を並べました。スタンドはLET'EM INの原尊之さんから。
あまりにぴったりで感動しました。

会期中は平岩夏野さんのお菓子をお出ししました。
ローフードのお菓子、素朴なサブレ、しっとりゆずケーキ。
何れもご好評をいただき嬉しく思いました。

こうして思い返すと本当に沢山の方々のご協力によってこの展ができたのだなと感じます。
ありがとうございました。
この手応えを次に生かすべく精進したいと思います。
これからもよろしくお願い致します。

s

atelier

藤川孝之アトリエ展
2009年10月24日(土)-11月3日(火)
10:00-19:00
青木隼人ギター演奏会
10月25日(日)18:30開演 

s